柳本選手から学ぶ、「意味のある失敗」とは

柳本選手から学ぶ、「意味のある失敗」とは

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今回は、女子モーグル選手の柳本理乃さん(以下柳本選手)のインタビュー第3弾です。前回は、フィンランド・スウェーデン・フランスでのワールドカップ遠征を通して感じたご自身の成長ポイントや、印象に残った出来事、こだわりの持ち物について、お話いただきました。

この記事では、2022/2023年シーズンのワールドカップ遠征を終えた感想や思い出、海外ならではの思わぬアクシデントについて伺いました。

柳本選手のお写真

後がないから、やるしかない!遠征で得た意味のある失敗

―今回のワールドカップを通じて感じたことをお聞かせください。

柳本:今シーズンは、全ての試合で一桁台の順位を取ることを目標としていました。ひとつのミスも許されない緊張のなか、安定した成績を出し目標を達成することができたので、昨シーズンよりも自己成長を感じられました。日々の練習と一本一本の滑りにおいてやるべきことに集中した点が、結果に繋がったと思います。

―日々の練習は、どういった内容でしょうか。

柳本:雪場ではスキーの練習を中心に行い、普段はパーソナルトレーニングへ通い身体作りをしています。モーグルにおいては、筋力を増やすことよりも、活かすことが大切です。そのため、呼吸を意識しながら身体を動かすストレッチをよく行っています。

―読者の皆さんにもおすすめのストレッチがあれば教えてください。

柳本:仰向けの状態で床に横たわり、膝を90度曲げて、足の裏を壁にくっつけます。この状態で5秒かけて鼻から息を吸って、7秒かけて口から吐くことを続けると、肩回りがスッキリします。私のように猫勢で肩こりになりやすい方や、パソコン業務でお疲れの方におすすめです。

ストレッチを行う柳本選手

―今回の遠征で、最も印象的だった試合についてお聞かせください。

柳本:最も印象的な試合は、ジョージアの予選です。
通常、予選は1本しか滑らないところ、ジョージアでは2本滑るというルールでした。その1本目で、普段の滑りからは考えられないようなミスをしてしまったんです。順位も最下位に近かったのですが、すぐに「後がないから、やるしかない!」と気持ちを切り替え2本目に臨みました。最終的には表彰台あと一歩の順位まで上げることができたので、大きな大会で失敗することも、必要な経験だと思いました。

また、試合での出来事ではありませんが、カザフスタンのワールドカップ最終戦後、出場選手全員で集合写真を撮ったことも印象に残っています。普段なかなか話す機会のない様々な国や地域の選手と交流することができたので、良い思い出になりました。

思い出の集合写真

電子レンジを当たり前と思うことなかれ!柳本選手流、海外渡航時の注意点

―続いて試合以外の時間をどのように過ごされていたのかを伺いたいと思います。今回はかなりタイトなスケジュールでしたが、観光する時間はありましたか。

柳本:残念ながら、観光する時間はありませんでした。ほとんどの時間を練習と試合に費やしていたので、空いた時間はホテルで過ごすことが多かったです。

各ホテルでは食事も提供されますが、食文化の違いを感じました。国によっては見たことのない具材の料理が出てきたので、戸惑いましたね。また、現地の水道水、生野菜・フルーツはあたると体調を崩してしまう可能性もあったので、皆気をつけていました。

こういった万が一食事が合わなかった時の対策として、日本からインスタント麺やみそ汁、お湯を入れるだけでできる白米などは持っていくと重宝します。行く国や地域によっては、ホテル内に電子レンジが無いところもあるので、ポットで準備できるものを持っていくと安心だと思います。

現地でのお食事

―ホテルのお部屋では、何をして過ごすことが多いですか。

柳本:チームメンバーとTikTokで面白いと思ったものをシェアしたり、本を読んで過ごすことが多いです。ほっこり温かい気持ちになる作品が好きで、最近だと『木曜日にはココアを』という連作短編集がお気に入りです。

また今回の遠征では、ホテルでビックリする出来事がありました。カザフスタン滞在中、急に知らない外国人の方が、部屋を訪ねてきたんです。

カザフスタンでは主にロシア語が話されており、ロシア語のわからない私は相手が怒っているように感じ、急いでスマホの翻訳機能を使いました。しかし、話を聞いてみると別の部屋の人にエアコンを直すよう頼まれたところ、誤って私の部屋に来てしまったとのことでした。

英語圏では、チームメンバーやコーチの中に英語を話せる方がいるので、あまり不自由を感じたことはありませんでした。しかし、ヨーロッパや今回のカザフスタンのような英語以外を話す国や地域では、コミュニケーションに苦戦することが多々ありました。こういった経験をすると、あらためてインターネットが使えるスマホの重要性を感じます。

―他にも、海外でスマホが使えて良かったと思った時はありましたか。

柳本:モーグル選手は激しい練習のあと、「クールダウン」といってストレッチやランニング、ウォーキングといった軽い運動を行い疲労回復する方が多いです。私も今回の遠征中、練習終わりによくウォーキングをしていましたが、実はかなりの方向音痴なので、地図アプリを使うのにスマホは欠かせませんでしたね。

なかなか外ではフリーWi-Fiを見つけて使うことができなかったので、今回のようにWiFiBOXをお借りしいつでもスマホが使える状態でなかったら、道に迷っていたかもしれません。持ち運び可能なWi-Fiの便利さを実感した遠征でした。

柳本選手とWiFiBOX

目が覚めたら飛行機がキャンセルに⁉あって良かったスマートフォン

―前回の遠征では、飛行機に乗り損ねるというアクシデントがありましたが、今回は空港で困った出来事などはありませんでしたか。

柳本:実は、今回もありました。乗る予定だった飛行機がキャンセルになってしまったんです。

その日は試合が終わった後、寝ずにホテルでパッキングをして次の遠征場所に向かわないといけませんでした。そのため、飛行機の席に座ると皆安心して眠ってしまったんです。ふと目を開けると、添乗員さんから「降りてください」と言われ、あっという間に着いたなと思い外を見てみると、先程と同じ空港でした。

話を聞いてみると、搭乗予定の飛行機が急遽キャンセルとなったとのことでした。滞在の延長に関しては、航空会社側からご飯代として空港で使える電子マネーの支給とホテルの手配があったので問題ありませんでしたが、果たして試合に間に合うのかという不安はありましたね。結果、全員間に合ったので良かったですが、とても焦りました。

この時も、電子マネーを受け取るのにアプリを使ったり、緊急連絡をするのにスマホが大活躍だったので、海外では予想外の事態に備え、日本にいる時と同じようにスマホが使えるようにしておくことが大切だと思います。

柳本選手の今後の展望

―大学ご卒業、おめでとうございます。今後の展望についてお聞かせください。

柳本:今後は地元でもある愛知県の「愛知ダイハツ」に所属し、モーグルを続けていきます。 今シーズンは一桁台の順位で終わることができましたが、来年はさらに上位を目指し、安定した成績を残していきたいです。今年は表彰台に乗ることができなかったので、 就職後もモーグルができる環境や周囲の方々に感謝し、結果を残すことで恩返ししたいと思います。

―柳本選手、ありがとうございました。今後のご活躍からも目が離せません。

柳本理乃(やなぎもと・りの)

柳本理乃(やなぎもと・りの)

2000年12月13日生まれ。愛知県出身。愛知工業大学卒業後、愛知ダイハツに所属。競技種目はフリースタイルスキーモーグル。2021年12月12日にスウェーデンで開催されたワールドカップ(デュアルモーグル)で2位入賞。

■SNSアカウント
Instagram @rino_yanagiiiii_

Telecom Times編集部

監修:Telecom Times編集部

2000年、成田空港の一角で携帯電話レンタルサービスを業界で初めて提供して以降、Wi-Fiレンタルをはじめとした旅行モバイル通信サービスの老舗として、旅と通信に関する知識と経験を培ってまいりました。「旅本来の楽しさに集中できる環境をつくる」をミッションに、世界の旅人の知りたい・役に立つ情報をお届けいたします。
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