野球で繋がる世界の輪、ブラジルの子どもたちへ野球用具を届ける福田雄基さんの活動は、はだしの子どもたちとの出会いから始まった

野球で繋がる世界の輪、ブラジルの子どもたちへ野球用具を届ける福田雄基さんの活動は、はだしの子どもたちとの出会いから始まった

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今回お話を伺ったのは、株式会社D-STRONG代表取締役の福田雄基さん(以下、福田さん)です。福田さんは、ブラジルの子どもたちへ野球用具を届けるべく、日々活動されています。
このインタビューでは、福田さんが活動を始めたきっかけや、続けてきたことで見えてきた子どもたちの変化、2年半ぶりにブラジルで過ごして感じたことについて伺いました。

福田さんと子どもたち

活動のきっかけは、はだしでサッカーをするブラジルの子どもたちとの出会い

―はじめに、福田さんがトレーニングに関するコンサルティング会社を起業された背景を教えてください。

福田:僕は幼い頃から野球を通して様々なトレーニングをしてきました。そのなかで、誤った内容や意味のない方法を教わる機会が何度もありました。そこで、これまでの経験や日本体育大学で学んだスポーツサイエンスの知識を活かした新たな方法で指導すれば、子どもたちがもっと成長できると考えました。そして、トレーニングメニューを組み営業したのが起業の始まりです。

福田雄基さん

―野球用具の支援活動を始めたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。

福田:きっかけは、ブラジルの子どもたちとの出会いです。
起業して少し経った頃、東京オリンピックの開催が決定しました。この時、スポーツを教える人間としても経営者としても、オリンピックに出場する選手はどんな身体能力を持っていて、スポンサーはどういった企業なのかを、自分の目で確かめるべきだと感じました。そこで、2016年にリオデジャネイロオリンピック会場へ向かい、情報収集をしました。

オリンピック会場から少し離れた場所を訪れた際、はだしの子どもたちが海水パンツ一丁で新聞紙を丸めてサッカーをしている光景を目の当たりにしました。

オリンピックは、経済力を高めたい地域で開催するので、観光地であるリオデジャネイロは妥当だと思っていました。しかし、同じ開催地である東京と比べ、貧富の差があり愕然としました。僕はなぜお金を稼ぐ事だけのために、ブラジルに来てしまったんだろうという罪悪感が湧いてきました。

当時、情報収集をしやすくするため、現地では法被を着て駄菓子を配っていました。その法被の物珍しさのおかげで、現地メディアに取り上げていただき、多くの方に声をかけられるようになりました。そのなかには、日系ブラジル人の方もおり、日本文化を尊重しているため、「子どもたちに野球をやらせてあげたい」という声を伺いました。しかし、ブラジルでは新品の野球ボールは売っておらず、野球ができる環境が整っていないことがわかり、僕は「日本での当たり前が、ブラジルでは当たり前ではない」ということに気づかされました。

ブラジル現地の方と福田さん

―日本文化を尊重する現地の皆さんと福田さんの共通点が「野球」だったからこそ、サッカーではなく野球の活動をしてみようと思われたのですね。

福田:そうですね。さらに、ブラジル野球連盟の会長さんと繋がりが持てたことも、活動を進められた大きな要因だと思います。僕は、連盟の皆さんと「プロ野球選手の知人と協力して野球用具を持っていきます」と約束を交わし、日本に帰国しました。

そして、2017年3月に、約束通り新品のグローブ20個・野球ボール・野球練習着・中古のスポーツシューズを直接持っていき、現地の人や野球連盟の方に大変感謝されました。次は、2017年7月にブラジルの子どもたちが野球の国際交流大会で来日するので、スーツケースに詰めて持って帰れるものがあれば、寄付をお願いできないかという相談を持ちかけられました。

そこで、7月にブラジル代表の子どもたちが来日した際、ボール約400個をそれぞれのスーツケースに詰めて帰国してもらいました。僕ひとりのスーツケースでは届けられる量に限りがあります。そこで年1回、子どもたちが来日する際に、 野球のグローブやボールを寄付する活動を続けようと決意しました。

福田さんとブラジルの子どもたち

―活動を続けるなかで、ご自身の気持ちや子どもたちの様子に変化はありましたか。

福田:初めは、年に1回、ボールを集めるだけという軽い気持ちでした。寄付を始めてから少し経った頃、現地で野球をする子どもが増えてきていると報告がありました。その時、この活動には大きな力があり、今現地へ行かないと自分の価値観が変わらないと感じ、2019年の夏にまたブラジルを訪れました。

すると、子どもたちや野球連盟の皆さんが出迎えて、声をかけてくださいました。なかでも、貧困地域のお父さんからの「グローブがあるからキャッチボールができる。キャッチボールができるから友達ができる。雄基のおかげで、子どもたちが毎日楽しそうにグラウンドにきて、野球をする。練習がない日でもグラウンドに来るんだ。グローブがない子は今までその輪に入れなかったけれど、雄基が寄付してくれたグローブがたくさんあるから、仲間外れの子もいない。雄基には感謝しかないよ。」という言葉は、忘れられません。2019年のブラジル訪問で、僕は今後もこの活動を続けていこうと決心しました。

その矢先、2020年にコロナ禍となり、今回約2年半ぶりにブラジルを訪れました。

福田さんが活動を続けて見出した人生の答えは「子どもたちの未来を創ること」

―2年半ぶりのブラジル訪問で、特に感じたことをお聞かせください。

福田:今回の訪問を通して、自分の活動は子どもたちの未来を創ることだと感じました。ブラジルの貧困層の子どもたちは、 非行に走ってしまうことがあります。しかし、今回の滞在で、その子どもたちがグラウンドで野球を楽しむ様子を見てきました。また、野球を通してチームワークを学んだことで、自ら率先して動けるようになり、リーダーシップを取る子まで現れたそうです。

「もし寄付してくれた野球用具がなければ、この子たちは野球すらできていない。 コロナ前に雄基が来ていなかったら、この子たちは今ここにいない。この未来を作ってくれたことに感謝しかない」と言われ、この活動を続けることが僕の使命だと再認識しました。

そんな僕の宝物は、子どもたちからもらったサインボールです。自分が稼いだお金を子どもたちに使ってもらい、未来を創る。この先50年のビジョンが見えたので、勝手に人生勝ったなって思っています。これが僕の人生の答えです。

サインボール

―人生の答えを得た福田さんの活動テーマをお聞かせください。

福田:僕の活動テーマは「野球で繋がる世界の輪」です。
僕自身ポルトガル語が話せなくても野球を通してブラジルの皆さんと繋がることができました。自分で言うのもおこがましいのですが、良い活動を続ければ良い人に巡り合えると考えております。日本でクラウドファンディングをした際、「私は1週間休んで現地に行けないから、ちょっとでも足しにしてください」というお声と共に、多くの資金を集めることが出来ました。

渡航回数を重ねるほど、見えてくる世界が異なり、人脈も広がり、良い活動になってきたと思います。

ブラジル訪問時の福田さんと現地の子どもたち

どんなに荷物を最小限にしても欠かせないWi-Fiの必要性について

―ブラジルに行く際、多くの野球用具を届けるので最低限の荷物にしているとのことですが、欠かせないものはございますか。

福田:Wi-Fiですね。
僕の場合、事前にWi-Fiを準備しておかないと、なにも始まらないんです。現地の方と合流するにも、ブラジルはLINEの代わりにワッツアップが主流で、Wi-Fiが無いと連絡手段が断たれてしまいます。また、今回の訪問では、現地でパソコンを使いながら仕事をしつつ、ボランティア活動をすることもできたので、感謝しております。

僕の活動は野球で世界を繋げていますが、テレコムスクエアさんは通信で世界を繋げています。今後、ともに世界を繋げる素敵なコラボレーションができたらなと考えております。

福田さん活動写真

―福田さん、ありがとうございました。

福田雄基(ふくだ・ゆうき)

福田雄基(ふくだ・ゆうき)

1991年4月13日生まれ。千葉県出身。日本体育大学卒業後、人脈作りのため、六本木でパーソナルトレーナーとして活動。24歳で起業し、トレーニングに関するコンサルティング業を務め、多くのチームを甲子園出場やインターハイ出場に導く。現在は、1000名以上のインフルエンサー含む拡散部隊を擁するマーケティング会社を経営。ECサイトのコンサルティングや、地方創生の一環として「筋肉の祭典」のプロデューサー兼MC。また、筋肉と活かして、テレビ番組やCMなどのメディアにも出演している。リオ五輪(2016)をきっかけにブラジルを始め、ペルー、アルゼンチン、フィリピン、オーストラリアなどにも野球用具の寄付を継続中。

■SNSアカウント
Twitter  @fukuchanDstrong
Instagram @fukuchan_d.strong
ブラジル野球応援サイト https://brazil-baseball.jp/

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Telecom Times編集部

監修:Telecom Times編集部

2000年、成田空港の一角で携帯電話レンタルサービスを業界で初めて提供して以降、Wi-Fiレンタルをはじめとした旅行モバイル通信サービスの老舗として、旅と通信に関する知識と経験を培ってまいりました。「旅本来の楽しさに集中できる環境をつくる」をミッションに、世界の旅人の知りたい・役に立つ情報をお届けいたします。
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